実録!フリーランスがクラウドソーシングを利用する際の注意点

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働き方改革の一環として近年注目されているクラウドソーシング。「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったサービスでご存知の方もいるのではないでしょうか。

自ら営業してクライアントを探すより手軽にインターネット上で案件が受注できる便利な働き方ですが、フリーランスの方がクラウドソーシングを利用する際はいくつか気をつけなければいけないポイントがあります。

今回はフリーランスの方がクラウドソーシングを利用するにあたって、注意が必要なポイントについて私自身の体験談をまじえて解説します。

こんな方におすすめの記事です
  • クラウドソーシングの利用を検討しているフリーランスの方
  • クラウドソーシングを利用する際の注意点が知りたい方

クラウドソーシングとは

クラウドソーシングとは、企業や個人が不特定多数の人に業務を発注する新たな業務形態。クラウドソーシングのサービスを提供するサイト上で発注者と受注者をマッチングできるのが特徴です。

クラウドソーシングの案件にはデザインやプログラミング、記事執筆などさまざまなジャンルがあり、自分のスキルに合った案件を探すことができます。また案件の応募から納品まですべてオンライン上で完結するので、時間や場所を選ばす働けるといったメリットがあります。

このようにメリットの多いクラウドソーシングですが、フリーランスの方がクラウドソーシングを利用する際は、以下のポイントに注意しましょう。

注意点①安すぎる報酬

クラウドソーシングの案件は、基本的に業務委託契約にあたるため、報酬額の下限が設けられていません。そのため非常に安い報酬で発注されている案件もあります。

「報酬が安くても未経験の分野で経験を積みたい」といった方には良いかもしれませんが、フリーランスとしてしっかり収入を得たい方は、報酬に見合った発注内容か確認したうえで受注することをおすすめします。また同じジャンルの案件と比較して、相場より著しく低い報酬でないかチェックすることも大切です。

さらにクラウドワークスやランサーズなどのサービスでは、そのサービスで案件を受注するにあたって報酬からシステム使用料というものが差し引かれます。報酬額に応じて5~20%程度のシステム使用料がかかるため、実際の手取りはクライアントから提示された報酬額より少なくなります。

たとえば文字単価1円で5,000文字のライティング案件を受注してシステム使用料として20%が差し引かれるケースでは、以下のような計算になります。

■クライアント支払額(契約金額)
 5,000文字 ✕ 1円 + 消費税10% = 5,500円・・・①

■手取り額
 ① - システム使用料1,100円(①✕20%) = 4,400円

このような点も考慮したうえで、妥当な報酬額か確認することをおすすめします。

my体験談

私もライターとして駆け出しの頃、クラウドソーシングの案件で経験を積みました。ライティング案件は文字単価で提示されるものがほとんどですが、採用後の文字単価が0.8円以上の案件を選んで応募していましたね。

正直ライター未経験でこのくらいの文字単価を提示してくれるクライアントは少ないですが、その業務自体の実績がなくても、保有資格やこれまでの経歴などを考慮して採用してくれるクライアントもいるので、諦めずに探してみましょう。

注意点②継続的に取引できるクライアントか

フリーランスとしてクラウドソーシングを利用するにあたって、継続的に取引できるクライアントと出会えるかどうかは重要なポイントです。もちろん単発で案件を受注することも可能ですが、希望する案件や報酬額を提示しているクライアントを毎回探すのは時間や労力を要します。継続的に取引できるクライアントを見つけることで、安定的に案件を受注できるのでおすすめです。

募集内容には「月〇本程度のライディング案件を発注可能」と記載されていても、初回の受注案件以降、依頼がまったくないというクライアントも存在します。クラウドワークスやランサーズなどのサービスでは、そのクライアント評価や口コミが確認できるので、ネガティブな評価や口コミが多くないか、チェックしてみるとよいでしょう。

my体験談

私が過去に継続的に案件をもらえる前提で契約した中にも、初回以降まったく案件の依頼がないクライアントはいくつもありました。催促のメッセージを送っても返信がなかったり、アカウント自体削除されてしまったりするケースも。クライアント選びは慎重におこないましょう。

注意点③クライアントの会社情報は公開されているか

フリーランスの方は、所得(収入から経費を差し引いた金額)が1円でもある場合は確定申告が必要です。もちろんクラウドソーシングで得た報酬もその対象となります。

ここで注意したいのがクラウドソーシングのサービスに登録されているクライアントのプロフィールです。確定申告の際、会社名(個人の場合は氏名)や住所を申告書類に記載する必要があります。しかし、ニックネームで登録しているクライアントも多く、会社情報などが確認できない場合があります。

確定申告の時期になって困らないためにも、クライアントのプロフィールは受注前にしっかり確認しておきましょう。プロフィールに会社名やホームページURLなどの情報が記載されていればよいのですが、そのような情報が確認できない場合は案件を受注するまえに会社名(個人名)や住所をおしえてもらえるか、打診しておくとよいでしょう。

my体験談

私は会社員時代の副業でクラウドソーシングを利用していた際、確定申告書類にクライアントの会社情報の記載が必要なことに気付き慌てた経験があります。結局その年の副業収入は確定申告が必要な金額ではなかったため難を逃れましたが、フリーランスになってクラウドソーシングを利用する際は会社情報が公開されているクライアントの案件のみを受注するようにしています。

会社情報が公開されていることで、事業内容なども確認できるので安心感もありますよね。ちなみに、現在私がクラウドソーシングで継続的に取引できているのは、会社情報が公開されているクライアントのみです。

まとめ

今回ご紹介した3つの注意点のうち、私が最も大切だと感じているのは「②継続的に取引できるクライアントか」ということです。クライアントから継続的に案件がもらえるかどうかに加えて、今後も取引していきたい相手かどうかという点も大切。気になる案件は一度受注してみて、「コミュニケーションはスムーズに取れるか」「指示や回答は的確か」など自分なりにクライアントを評価してみるとよいですね。

すでに利用されている方もこれから利用する方も、注意点をおさえて上手にクラウドソーシングを活用しましょう。

※本記事は2020年6月24日時点の情報をもとに執筆したものです。